うつ消しごはん -タンパク質と鉄をたっぷり摂れば心と体はみるみる軽くなる!-
タイトルのとおり、「タンパク質と鉄をたくさん摂ろう!」
ということが書かれております。
精神科医である著者が、たくさんの症例、論文などを基に
タンパク質と鉄の大切さを語っております。
実際に使用しているサプリメントなども載っていて、参考になりました。
1章 肉をたくさん食べる
タンパク質をたっぷり摂る
大人の場合、1日に200~300gのタンパク質が体の中で分解されており、そのうちの50~70gは食物として摂らなければならない
ータンパク質の働きー
・筋肉や骨、皮膚、臓器、髪の毛などはタンパク質からつくられている
・血液、代謝酵素、消化酵素、ホルモン、神経伝達物質などの原料である
・血液の中で栄養素を運んだり、体内で化学反応の触媒の役目をする代謝酵素となる
・生体のホメオスターシス(恒常性)を維持するホルモン、骨組みをつくる繊維状タンパク質になる...etc
・心の健康にも直結する
←心を落ち着かせる働きのあるセロトニン、喜びを感じさせるドーパミンなどの神経伝達物質は、タンパク質が足りないと十分につくられない
抑うつ気分
←神経伝達物質が不足してうまく働いていない
←たんぱく不足が原因ということも
毎日分解と合成を繰り返すタンパク質
・タンパク質は約2週間で、赤血球は約120日で、筋肉のタンパク質は180日でその半分が入れ替わる(←半減期と呼ぶ)
大人の場合、1日に200~300gのタンパク質が分解されており、そのうちの50~70gを食物として摂らなければならない
動物性のタンパク質が効率的
タンパク質は20種類のアミノ酸が結合してできている
必須アミノ酸(体内で合成できず食べ物から摂らなくてはならない)
→イソロイシン、ロイシン、トリプトファン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、ヒスチジン、スレオニン、バリン、(アルギニン:子供には)
9種類のアミノ酸はバランスよくとらなければならない(ひとつでも必要量に満たないと、最も少ないアミノ酸に準じた量しかタンパク質がつくられない(桶の理論))
「プロテインスコア」と「アミノ酸スコア」では、プロテインスコアを重視すべき
←動物性たんぱくのほうが圧倒的にプロテインスコアが高い
・肉をたくさん食べられないのもタンパク質不足が原因
卵とシジミは、プロテインスコア、アミノ酸スコア共に「100」で最も高い
順に、鶏レバー、豚レバー、イワシ、豚肉、マトン、カジキ、アジ、牛レバー、イカ、鶏肉、チーズ、牛肉、白米、牛乳、エビ、カニ、タコ、鮭、小麦粉、大豆
体重50kgの人が健康維持のために必要なタンパク質は、1日50g、
筋トレ、美肌・アンチエイジングを目指す人は、1日100g以上が推奨
鉄をどんどん摂る
●女性のうつ・パニックは「鉄不足」が原因
フェリチン値が著しく低い
(フェリチン値 ー その人が維持している鉄の量)
フェリチン100以上は満たされている、30以下は、重度の鉄不足(20~40代に多い)
鉄不足 ←だるい、おもい、つらい、イライラする、頭痛がする、元気がでない
フェリチン値50を超えると、エネルギー代謝がよくなり元気になる
鉄不足を解消するのに摂るべきは「肉」
ー鉄の働きー
・血液の赤血球の合成
・体内で発生する活性酸素を除去する
←抗酸化物質カタラーゼという酵素の働きに関与している
・エネルギーをつくるエネルギー代謝の最終段階の電子伝達系に関与する
ーメモー
・欧米は日本の3倍肉を食べる
・加工食品では、ビタミンやミネラルがなくなってしまっている
・肉も冷凍するとビタミンが減る
・ヒジキに鉄が多いとされていたのは、鉄の鍋で煮ていたから(現在は9分の1の量)
・植物性の非ヘム鉄の吸収率は1~5%
・動物性のヘム鉄の吸収率は10~20%
鉄分をほうれん草には頼れない(←非ヘム鉄、バケツ4杯分も必要)
・魚で鉄が含まれているのは赤身
肉は少なくとも1日200g食べる
・牛肉はタンパク質と鉄がたっぷり
-牛肉は良質のタンパク質や脂質、鉄、亜鉛などのミネラル、ビタミンB類が豊富
-鉄分が一番多い部位はレバー
・豚肉100gで1日分のビタミンB1がとれる
-タンパク質、鉄、ビタミンB1(エネルギーの代謝を促す)、ビタミンB2(皮膚や粘膜の生成を促す)、ビタミンB6(筋肉や血液の生成を助ける)が豊富
-ビタミンB1は、1日必要量の85%がとれる
-豚肉のビタミンB1は熱に強く、体内での吸収率も優れている
-疲労回復にも
・鶏肉は消化がよい
-鶏肉に含まれるアミノ酸には、肝臓の機能を高め、脂肪肝の予防になる必須アミノ 酸のメチオニンがあり、老化を防ぐ
-鶏むね肉50gには、イミダペプチドが200mgもある
-鉄分が多いのは鶏レバー
・ラム肉や馬肉、ジビエにもタンパク質が豊富
-ラム肉には鉄分や亜鉛が豊富、L-カルニチンという脂肪燃焼効果の高い成分も
-馬肉は牛肉に匹敵する栄養価で鉄分の宝庫、カルシウムが多い
-鹿肉は高タンパク質で、鉄分も豊富
-野生動物の体は、食用の肉と比べても栄養価が高い
2章 食事療法
タンパク質と抗酸化物質、ビタミンを毎日とっていれば、食品添加物などの害を極端に恐れる必要はない
ーアメリカ牛には、エストロゲンなどのホルモン剤や抗生物質が使用されており、乳がんや前立腺がんのリスクが指摘されている
(日本、ヨーロッパ、オーストラリアの牛肉は比較的安全)
ーハム、ソーセージには着色料の亜硝酸ナトリウムが添加されていることが多く、アミンと反応すると発がん性のあるニトロソアミンを生じるとされている
(毎日大量に摂取しなければ大丈夫)
・卵は完全栄養食、毎日2~5個食べよう
-卵はプ
ロテインスコア100であり、ビタミンCと食物繊維以外の栄養素を網羅
-卵に含まれるコレステロールも必要
-レチシンという脂質が豊富で、レチシンの構成要素であるコリンは、
アセチルコリンの減少←頭がぼーっとする、気力がなくなる、記憶力・思考力の低下
-白身は生のままで食べない、必ず加熱してから
生の白身に含まれるアビジンは、ビオチン(ビタミンH)の吸収を阻害
・マグロ、カツオ、赤身の魚が効率的
ーマグロ、カツオなどの赤身の魚には良質のたんぱく質と鉄が豊富
-さんま、アジなどの青魚にはDHA,EPAなどの必須脂肪酸が豊富
-鮭はアスタキサンチン酸(抗酸化物質)が豊富
アスタキサンチン酸の抗酸化力は、ビタミンEの数百倍、β-カロテンの数十倍
・あさり、しじみなどの貝類も大切
-貝類もタンパク質と鉄が豊富、亜鉛が多い
-汁物には、グルタミン酸などのアミノ酸やコハク酸などが汁に溶け出している
ー鉄、亜鉛、カルシウム、リン、銅、マンガンなどミネラルは、身の中に残っている
-カキは特に亜鉛が多い
・バター、生クリーム、MCTオイルもしっかり摂る
-現在では、バターやラードなどの動物性飽和脂肪酸の安全性が強調されている
-健康によいとされるオメガ3脂肪酸は、加熱によって酸化しやすい
・調味料に使う砂糖は結構多い
煮ものの味付けは、みりんなどでコクを出す
エリストールという甘味料(ラカントという商品名)で代用する
・塩は生成された食塩ではなく、非生成塩を使う
「ぬちまーす マイソルト 30g(沖縄)」、「雪塩 顆粒テープルタイプ (瓶)55g雪塩 (宮古島)」
「ま、ご、わ、や、さ、し、い」
ま:豆類(大豆、あずき、納豆、豆腐、油あげ...):豆腐なら1/3、納豆なら1パック
ご:ごま、ナッツ、(アーモンド、ピーナッツ、くるみ、ぎんなん)
わ:わかめなどの海藻類
や:緑黄色野菜(1日350g)
さ:魚
し:しいたけなどのキノコ類
い:イモなど根菜類
サプリ活用で効果倍増
足りない分は鉄剤やプロテインで補う
ヘム鉄神話からキレート鉄へ
ーキレート鉄のほうが、ヘム鉄に比べ、値段が安く効果が大きい
-ヘム鉄は日本にしかないローカルサプリメント
著者の病院で使用しているサプリメント
↓フェロケル(アミノ酸キレート鉄)
女性は得に鉄+タンパク質が必要
初診の患者さんには、
高タンパク+低糖質食を推奨(卵3個以上+肉200g以上 / 日)
プロテインは、20g×2を推奨
プロテインは、肥満解消にもなる
BUN(尿素窒素)20を目標にタンパク質を摂取
一般的な基準値 8~20mg/dl
目標値 15~20
⇒体重の半分~体重と同量のプロテイン摂取が必要
ー本書でおすすめしていたプロテインー
↓カゼインと乳糖が完全に除去されている
↓お試しセット 気に入ったものを1Kgで注文すればよい
■ビーレジェンド ホエイプロテイン お試しパック 29g 【トライアル11種セット】
●メグビープロテイン
注)20ccスプーン1杯のプロテインは20gではない、20ccでは約8g
3章 精製された糖は減らす
精製糖質(白米、小麦粉、砂糖etc)はインスリンを分泌させるので避ける
精製された糖質を食べると血糖値がすぐに上がる
⇒それを押さえようとインスリンが分泌
⇒グルカゴン、アドレナリン、コルチゾール(副腎皮質ホルモン)などの血糖をあげるホルモンが分泌される(←これらはストレスホルモンと呼ばれる)
精製糖質をたくさん摂ると、これらのホルモンをたくさん合成しなくてはならず、ビタミンB群や、ミネラルがどんどん使われ不足する
⇒ビタミンB群や、ミネラルが不足すると、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンなどのモノアミン系神経伝達物質の合成が滞る
⇒うつ・パニック障害
砂糖は特に減らすべき食べ物
砂糖は特に急速に体内に吸収され、急速に血糖値をあげる
砂糖のほとんどはショ糖(ブドウ糖と果糖で構成されている)
果糖は摂りすぎると中性脂肪を増やし、肝臓にダメージを与える
砂糖の中に含まれるショ糖の割合
白糖 97.8%
三温糖 96.4%
グラニュー糖 99.9%
黒砂糖 80%
米、小麦なども減らす
たんぱく不足があると糖質制限がうまくいかない
⇒糖質制限をするときには、タンパク質や脂肪はしっかり摂る
精製糖質の過剰摂取はがん、うつを引き起こす
・鉄不足の人は甘いものをほしがる
⇒クエン酸回路で効率よくエネルギーを作れず、糖質でエネルギーをつくる回路だと、少ししかエネルギーがつくられない。より多くのグルコースをほしがる
(フェリチン値30~50程度まで増えると欲求が収まる)
・過食症は、タンパク質と脂肪が不足していることで、クエン酸回路の機能が低下している
・狂った脂肪という異名を持つトランス脂肪酸
異常で不健全な結合をしてしまった脂肪酸であり、体に害をもたらす悪玉の脂肪
・過剰摂取により心筋梗塞などの冠動脈疾患が増加する
・肥満やアレルギーの原因にも
・サラダ油もできるだけ減らす「植物油脂」「食用植物油」
こうした油を原料につくられたドレッシング、マーガリンもNG
・バターは、短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸のバランスが優れ、長時間継続してエネルギーに変わる
加熱には適さず、酸化した油は体内で代謝を阻害する
質の悪い野菜は意味がない
・コンビニの野菜にはビタミン、ミネラルは期待できない
⇒促成栽培されたもので、栄養十分な畑で育った野菜と栄養価が異なる
・畑の野菜も栄養価が落ちている
品質改良、化学肥料、農薬の結果、土壌のミネラルバランスが崩れている
・有機栽培のものを選んで食べる
インスリン分泌が少ない全粒粉の小麦粉、イモ類、根菜類はOK
・糖質の中でも精製されていない全粒粉やふすまなどを用いたパンは適量であればOK
野菜ジュース、果物ジュースはNG
・ジュースに含まれるブドウ糖果糖液糖は砂糖と同じもの
・果糖液糖はさらに急激に血糖値をあげる
・スポーツドリンクも同様
・野菜ジュースも甘さを出すために様々な添加物が入っている
・醸造酒のビール、日本酒はNG、蒸留酒の焼酎、ウイスキーはOK、ワインは糖質の少ないものを
4章 メガビタミン療法のすすめ
ATP(Adenosine tri-phosphate)とは
アデノシン三リン酸という、アデノシンという成分に3つのリン酸が結合した物質
ー生体内のエネルギーを貯蔵したり、供給したり、運搬を仲介したり
体を動かす、頭を使う、呼吸する、心臓を動かす、食物を消化吸収、ホルモンの合成
すべてATPが必要
食事からえたエネルギーはATPという分子に変換されてはじめて使える
・鉄:キレート鉄
・ビタミンB1:B50コンプレックス
・ビタミンC:C1000
・ビタミンE:E400(d-αトコフェロール400IU含有)
注)ビタミンEには4種類の「トコフェロール」と4種の「トコトリエノール」があり、α、β、γ、δと名前がある。
天然型のD型と合成型のDL型があり、天然型ビタミンE(d-αトコフェロール)が最も強い。
ビタミンEのサプリメントは合成型ではなく、必ず天然型のものを。
飲み方の参考例
・鉄:キレート鉄(フェロケル)36mg 2~3錠(夕)、or 27mg 3~4錠(夕)
・ビタミンB1:B50コンプレックス 2錠(朝夕)
・ビタミンC:C1000 3錠(朝昼夕)
・ビタミンE:E400(d-αトコフェロール400IU含有)1~2錠(朝)
※鉄とビタミンEは同時に摂取してはいけない(Eは朝、鉄は夕)
精神病にはナイアシンが一押し
ATPが激増すると、スムーズに高タンパク/低糖質が実行しやすくなる
短期間で効果が出る
ビタミンEは血管のプラークを軽減して、血流を改善し、不飽和脂肪酸の自動酸化を抑制し、血液粘土を下げて酸素の無駄な消費を軽減する
さらに生体膜(細胞膜、ミトコンドリア膜)脂肪酸の自動酸化を防ぎ、ミトコンドリア内への酸素、ビタミン、ミネラルの取り込みが改善する
Eを追加することでビタミンCなどの効果が倍増
5章では実際の症例をたくさん紹介しておりました。
すべて本書の通りにすべきとは思いませんが、試してみる価値はあると思います。
筋肉量が増加し(もちろん運動も取り入れ)、寝起きがよくなったと感じております。
お肉は食べすぎかなと思っていたけれど、全然そんなことはなく、むしろ足りていなかったかもと思い、安心してたくさん食べています。
プロテイン+鉄を生活に取り入れたことにより、気持ち疲れにくくなった、元気になったかなとは感じております。ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。