Book Summary ~読んだ本 まとめ~

読書が好きなので、読んだ本の感想、簡単な内容をまとめてみました。

スタンフォード式 最高の睡眠

率直な感想としては、読んでとっても良かったです。

具体的な症例やエビデンスが書かれていて

わかりやすく説得力のある内容でした。

プロローグ・0~5章の構成で

グラフなどもあり、青と黒の2色使いで読みやすいです。

 

睡眠の質は眠り始めの90分で決まる。この90分をいかに深くするか

キーワードは「体温」「脳」「スイッチ」

睡眠と覚醒は表裏一体

よい睡眠がよい覚醒を導き、よい覚醒がよい嗣明を導く。

睡眠研究の総本山、スタンフォード大学の研究医がたくさんの実験・症例をもとに、よい睡眠・よい覚醒のメソッドを紹介しております。

睡眠と覚醒(パフォーマンス)はセットになっている。

ー最強の覚醒をつくる睡眠、最高の睡眠をつくる覚醒ー

睡眠負債→睡眠時間が足りないことによって深刻なマイナス要因が積み重なっていく

「90分の黄金法則」

 ノンレム睡眠レム睡眠の周期は90~120分と幅がある

(必ずしも90分周期とは限らず、90分の倍数寝ても目覚めが悪いケースはよくある。)

睡眠の質は眠り始めの90分できまる

→最初のノンレム睡眠をいかに深くするかが重要

・最初の90分のノンレム睡眠は最も深い眠りである

・成長ホルモンがもっとも多く分泌される

寝る時間がないなら、最初の90分の質を絶対に下げてはならない

 

寝だめしたいは脳からのSOSサイン

ショートスリーパーは遺伝である

短時間睡眠、長時間睡眠 死亡率は6年後の脂肪率は1,3倍高い

(平均値は7時間、睡眠時間が長すぎるとかえって体に悪い。量の確保では解決しない。)

さらに短時間睡眠は、肥満、糖尿病、高血圧、認知症などに直結する

1日1時間以上の昼寝は認知症、糖尿病リスクを高める

 

睡眠のミッション

・脳と体に休息を与える

  ノンレム睡眠中と食後は副交感神経が優位

  自立神経のバランスを整える(黄金の90分で副交感神経優位に転換)

・記憶を整理して定着させる

  深いノンレム睡眠は嫌な記憶を消去する

  浅いノンレム睡眠では、体で覚える記憶が固定される

・ホルモンバランスを調整する

  生殖や母性行動に関与するプロラクチンも最初のノンレム睡眠で多く分泌される

  皮膚の保水量は睡眠で上がる

  →睡眠と密接につながっている「性ホルモン」や「成長ホルモン」の影響を受ける

・免疫力をあげる

  睡眠が足りないと、ホルモンバランスが崩れ、免疫の働きもおかしくなる

  アレルギーが悪化する危険もある

・脳の老廃物をとる

  新しい脳脊髄液が出て古いものが排出されるとき、脳の老廃物も一緒に除去される

  睡眠を制限すると、アルツハイマーの原因物質のひとつ「アミロイドβ」がたまりやすくなる

 

ーメモー

・口呼吸は睡眠の質をさげる

 →鼻で吸って鼻で吐く腹式呼吸を意識してやる

・大量のアルコールは睡眠の質を下げるが、少量を飲んですぐに眠ることで深く眠れる

・何時間寝ようが、最初の90分が崩れれば、総崩れ

・睡眠は脳とかかわりが深い

うつ病では、最初のノンレム睡眠の質が悪い

→最初の90分の質が悪いことで、気分・体調・自立神経機能が整わない

・健康の人の場合、目を閉じて10分未満で入眠する

・体重が重く、がっちりした体形の人ほど硬めのマットレスを選ぶ

・華麗によって黄金の90分は出現しにくくなる

 

超一流の共通点

・自分の専門分野で成果を上げる

・専門分野の枠を超えても見識が深い

・物事をうまく運ぶコツやツボを押さえている(成功への普遍性を備えている)

・卓越した行動力がある

・正しい情報取集と理解力を武器にする

最短のルートを見極め、短いスパンで結果を残す

 

黄金の90分3大メリット

・自律神経が整う

  頭痛、ストレス、疲労感、イライラ、肩こり、冷え性など、なんとなく調子が悪いという根っこには自律神経の乱れがある。

・成長ホルモンが分泌する

  成長ホルモンは細胞の成長や新陳代謝促進、皮膚の柔軟性アップ、アンチエイジングの役割をする

  成長ホルモンは最初のノンレム睡眠に際立って多く(70~80%)分泌される

  いつもなら寝ている時間に起きているとまったく分泌されない

  入眠時間を明け方や日中にずらすと、分泌はあるが夜間の1周期ほどの量ではない

  成長ホルモンは老人になっても分泌する 

・脳のコンディションがよくなる

 

眠気があるならまず寝てしまう 起きてから資料作成

規則正しい生活(とりわけ就寝時間を固定すること)

すぐに眠れる2つのスイッチ「体温」「脳」

体温スイッチ

    体温は「上げて・下げて・縮める」

眠っているときは深部体温(内部の体温)は下がり、皮膚温度(手足の温度)は上がっている(筋肉や内臓による熱産生と手足からの熱放散によって調節されている)

皮膚温度を上げて熱開放すると、深部体温は下がり、入眠する

 

健康な人の場合、入眠前には手足が暖かくなり、皮膚温度が上がって熱を放出し、深部体温を下げている

質のよい眠りであれば体温が下がる

皮膚温度と深部体温の差を縮める(2度以下にする)ことがカギ

 

深部体温はあがった分だけ、大きく下がろうとする性質がある

0.5℃あがった深部体温が元に戻るまでの所要時間は90分

 

・就寝90分前の入浴

  -入浴による皮膚温度の変化はせいぜい0.8~1.2度

    40度のお風呂に15分入って0.5度上昇

  ー時間がないならシャワー

  ー温泉の方が深部体温が大きくあがる、炭酸泉は湯疲れがない

・足湯

  ー入浴と同等の効果

    深部体温を下げるのに効果的

・室温コンディショニング

  -沈みこむマットレスと高反発マットレスでは熱放散が大きく違う(高反発のほうが、深部体温が0.3度低い)

  ー「室温」「湿度」を調整する

     湿度が高すぎると発汗しなくなり、手足からの熱放散を妨げる

     室温が低すぎると血行が悪くなり、熱放散も起こらない

  -そば殻まくらで頭を冷やす

     脳の温度は入眠時には低くなる

     レム睡眠のときは少し高くなる

     休めるときには温度を下げたほうがよい

 

靴下を履いたまま寝てしまうと、足からの熱放散が妨げられてしまう

電気毛布や湯たんぽなども、寝る前だけに使う

生理的な熱放散がおもにおこるのは、表面積が大きく毛細血管が発達している手足

脳のスイッチ

・眠りにつくまえは単調な状態にする

 脳が興奮していると体温も下がりにくい

 -環境の変化、わずかな刺激を好まない、頭は使わない

・睡眠のルーティーン化

 

入眠の直前は脳が眠りを拒否する

通常就寝する時間の直前から2時間前あたりまでがもっとも眠りにくい

強力に覚醒を引き起こす「オレキシン」←食欲にも関与している

カフェインは人を眠らせる「アデノシン」の働きを妨げる

眠りの定時を厳守する

体温が高いとパフォーマンスがいいが、体温が低いとエラーが多い

1日で楽にずらせる時間は1時間

 

熟眠をもたらす2つの覚醒スイッチ「光」「体温」

ーどう起きているかでぐっすりか否かが決まるー

ぐっすり寝る人は朝から違う

朝起きてから眠るまでの行動習慣が最高の睡眠を作り出し、最高の睡眠が最高のパフォーマンスをつくる

 

「光」

・人間のサーカディアンリズムは「24.2時間

メラトニンは、朝の光によって分泌が抑えられ(覚醒)、夜になると分泌が促される

・網膜で470ナノメーターという単位の波長を感知すると、覚醒度をあげたり、パフォーマンスがあがる

・光の刺激を脳の活性化に影響を与える

・体温、自律神経、脳やホルモンの働きも光がないとリズムが崩れて調子が悪くなる

 「体温」

 覚醒時は体温をしっかり上げてスイッチオンにしておく

 

覚醒戦略

1、アラームは2つの時間でセットする

7時起床の場合は、6:40から7時の2つの時間にセットする

(1回目のアラームは微音で短く)

レム睡眠のときには起きられる確率が1.5倍になる

5~7時ぐらいの時間帯であれば生理的にレム睡眠が増えている

朝早くから目覚めるが、布団からなかなか出られないのは鬱の兆候

 

2、眠りへの誘惑物質を断捨離する

起きてすぐに行動することでさらに体温のスイッチがしっかりオンになる

ベッドから出たら、天気にかかわらず朝の光を浴びる

 

3、裸足朝活で覚醒ステージをあげる

上行性毛様体を刺激すれば覚醒する←視覚、聴覚に注意喚起すると活性化する

 

4、手を冷たい水で洗う

深部体温と皮膚温度の差を広げる

朝はお風呂よりシャワー

 

5、咀嚼力で眠りと記憶を強化する

朝食には体温をあげ、1日にリズムを整え、エネルギー補給の役割がある

朝食には、体内時計のリセット効果、肥満防止効果

汁ものは体温をあげる

噛むことで三叉神経から脳に刺激が伝わり、1日にメリハリをつける

 

6、とにかく汗だくを避ける

たいおんが上がりすぎると発汗による解放散が起きて元の体温より下がる

→眠気がやってくる

 

7、テイクアウトコーヒーでカフェイン以上を取り込む

1日5杯までは許容範囲

2型糖尿病、肝臓がん、子宮内膜がんのリスクを減らす

血中のカフェイン濃度は半分になるまで約4時間

 

8、大事なことをする時間を変える

頭を使う仕事、重要な仕事、ディスカッションはできるだけ午前中に集中する

ランチ時間の後はジョジョにイージーモードの仕事へシフト

 

9、夕食抜き生活が眠りに響く

絶食するとオレキシンの分泌が促進されるた、食事をすればオレキシンの活動は低下し、覚醒度も落ち着く

夕食を食べないとオレキシンの分泌が促進され、食欲が増大するうえに、覚醒して眠れなくなる可能性が高い

オレキシンは交感神経の活発化や体温上昇も引き起こす

夕食抜きは、眠りと健康にとって百害あって一利なし

 

10、夜の冷やしトマトで睡眠力アップ

トマトには体を冷やす性質がある

体温を下げるキュウリジュー

眠りによいとされる食べ物

・カノコソウ、カモミール

 

メラトニンは、トリプトファンからつくられ、セロトニンとなって、メラトニンになる

 

11、金の眠りになる酒を飲む

ギャバは抑制系の神経伝達物資のアミノ酸で脳内に広く分布している

↑睡眠時に活動する、抗不安や抗痙攣、筋弛緩などの副作用もある

お酒は睡眠薬と同じぐらい入眠作用が強く、使いようによっては危険

適量を超えたお酒はレム睡眠を阻害し、深いノンレム睡眠も出現しなくなる

 

時差ボケ対策

出発前から現地の時間に合わせて行動する(食事の時間など)

 

 

睡魔に襲われたら

・ランチ後の眠気は血流の問題ではない←眠気とは違う倦怠感

・ランチにはヘビーミールを選ばない

・ガムを噛む

・会話は覚醒の強いスイッチ

・カフェインをとる(コーヒー、緑茶、チョコレート)

・飲み物は冷たいものより温かいもの

 

パワーナッピング(仮眠)

20分程度の仮眠・昼寝は脳のミスを大幅に減らす(仮眠をとるなら20分程度

30分未満の昼寝をする人は昼寝の習慣がない人に比べて認知症発症率が約7分の1

1時間以上昼寝する人は、昼寝の習慣がない人に比べて発症率が2倍も高い

 

連続してとった睡眠と、細切れでとった睡眠は、質がまったく違う

土日も平日と同じ就寝時間にする

平日より1~2時間多めに眠る(起床時間を1~2時間後ろにずらし)ぐらいであれば問題はない

睡眠を犠牲にして働くのはやめておこう