Book Summary ~読んだ本 まとめ~

読書が好きなので、読んだ本の感想、簡単な内容をまとめてみました。

2030年 富の未来図

こちらの本を読んでみました。

2011年発行と昔の本ですが、内容がどれぐらい当たっているかを見るのにも面白かったです。

 

韓国でベストセラーとなったそうです。帯には、「今後20年で金融危機は5回起こる」 とデカデカト書いてあり、興味をそそりました。読者限定に、2050年までの未来年表をPDFでプレゼントという特典もあります。

 

感想としてはとても興味深く、面白かったです。金融・経済の歴史の話から始まり、繰り返す歴史や学術的な根拠から未来を予想し、そのために今何をすべきかを具体的に提示してくれるところがとてもよかったです。心にささるような言葉、提案もたくさんあり、勉強になりました。また断定的なものの言い方が、逆に新鮮でした。

2020年現在としては、当たる当たらないは半々ぐらいかなという感じです。

 

 

1章 富の歴史と富の未来

予測を的中させる人の多くは歴史を知っている。

「富の効果」が終わりを告げ「所得効果への転換」の時代になる

- 資産価格が上昇するにつれて消費が増加する富の効果によるアメリカの経済成長は終わった。豊富な金融知識を備え、安定で保守的な資産運用を通じた富の管理という付加的な手段に変わるようになる。

 

●「時間と空間」が猛烈なスピードで圧縮される

「所有の消費」から「アクセスの消費」へ

ー今や所有は能力ではなく、たんなる荷物である

● 次の金融危機は2008年の金融危機より衝撃と範囲が大きい

● 世界は「借金中毒の経済システム」から抜け出せない

ー銀行が実体のないお金を作りだしている。借金による成長という「お金の誤った使い方」を根本的に直さない限り、金融危機がいつまでも繰り返される。

● この20年で「最低5回」の多様な金融危機が反復的に押し寄せる

ー歴史を見れば、金融不況の周期がますます狭まっている

2章 金融の未来図、世界の未来図

● 新技術と新産業のバブルは3~4回起こる

ー近いうちにエネルギー関連産業のバブルも崩壊

ーロボット分野での革新→いずれバブル崩壊

バーチャルリアリティユビキタス技術の革新。幹細胞技術、バイオ技術と量子力学とナノ技術産業分野で、革新的技術の進歩。

国内外で投機が増加 → 一生かかって蓄えた資産をすべて失ってしまう人が増える

アメリカは傷ついてもなお「潜在力」が残っている

ー少なくとも数十年間は、世界でも有数の強国の1つとして健在する

→2025~2030年ごろになるとアメリカ中人の世界秩序は変化する。アメリカにヒビが生じる。

● 中国、日本、ロシア、EUアメリカの「群雄割拠状態」は始まった

ーパックス・アジアの到来

● 「遠く未来を見る者」のみが勝利する

未来を読み、危機を乗り越える技術が重要

近い未来を予測する能力はほとんどの人が備えている。有能な経営者ならば、より一層長けている。

「未来を予測し、危機を乗り越えてチャンスをつかむ技術は、数学の微積分より簡単だ」

繰り返し危機が到来する時代に、未来を予測する能力がないということはいつ死ぬかもわからない時限爆弾つきの人生を送るようなものだ。

● 未来への準備を始めよう 準備をすれば富を獲得できる

アルビントフラーの未来予測成功率は賢者の水準まで達している

夢に描いた未来の成功、富、幸福の宝を発見するためには、地図と羅針盤が必要

 

未来の富を獲得するための5つの準備

1、未来において直面すると思われる状況に備える 

2、未来において必要となるものを予想する

  ー未来は突然にはやってこない。未来の調王を現しながら近づいてくる。

3、必要ならば曖昧な情報でも利用する

  ー100%正確な情報は使い道がない。100%爆発が起きるといえるときは既に手遅れ

4、予想できないことに備える

  ーパックスアジアという多肢選択される未来、あるいは二者択一される未来を計画、創造、現実化するように努力する。

5、短期的に考えると同時に長期的に考える

  ーほとんどのことは計画してから20年以内に達成される

 

3章 新しい「富の管理システム」の作り方

どこに投資しても「簡単に儲けられる時代」は終わった

金持ち父さんの公式は通用しなくなる。投資によってお金を獲得する確率よりも失う確率がぐんと高まる時代になる。金持ちのシーソーのおもりの重心が所得効果に移る。

ー革新的な産業生まれ、高所得創出が可能となる。

 

これからは「資産を失わない」戦略が重要

ー富の効果は、予想投資収益率を減らし、リスク管理をし、失わない戦略をとる「富の管理」に切り替えなければならない。不確実性が高まるため、不動産、株式、ファンド、原材料に個人が投資をすれば損失を被る可能性が非常に高い

ー限定的な地域だけの不動産価格の高騰、株式市場も大幅な騰落を繰り返す

ー今後10~20年間はインフレの時代になる。

不確実性が増す→リスクが相対的に高まる

「ローリスクの投資」によって資産を管理しつつ安全に増やす

「富の管理システム」と「革新的に仕事をするシステム」を装着する

効率的に守り、安全に増加させる(資産を失わないことに焦点を合わせる)

金融知識を身に着けることが最も重要

ー低額の投資利益を得る戦略を活用

 

「億万長者の共通点は、稼いだお金をあまり使わないこと」

  -アンドリュー・カーネギー

 

富の管理システム

①過去の富の管理 

ー借金を減らす

クレジットカード、現金サービス、信用貸し出しなどは15~45%の利率

②現在の富の管理

ー株式などへの資産市場へ投資

ー未来への準備の投資

 

<3つの通帳をもつ>

 主取引通帳

  普段から使用している給与通帳

  ー最低限の生活費のみを入れる

 短期目標通帳

  ・失業した場合の資金

  ・自己啓発を行う資金

  ー3か月分の月給を入れる

 夢通帳

  老後と未来の夢のための長期投資用の資金

 

③未来の富の管理

自分の未来と夢のための自己啓発に投資すること

株式などの資産市場に投資し、未来の夢と老後に備えること

・投資の成功は「不確実性を減らす技術」にかかっている

 短期売買を行う個人投資家は、投資期間が行う精巧な数式計算と取引戦略、投資速度とタイミングに決して追いつけない。

 

未来に関する質問を投げかけ続ける

(ex. 自分のやっている仕事は10年後にはどうなっているか)

未来社会のマクロ的変化に関する本、雑誌、新聞、放送などを楽しむ

 

富が集まる4つを先制する

①富の集まる知識

 有用な知識と無用(毒になる)知識がある

有用な知識

バーチャルリアリティ関連知識、想像力を刺激する知識(アイデアの力、ストーリー、ファンタジー

 

適切なデータ、情報または知識を得れば、富の創出に作用するほかのすべての投入物(土地、労働、資本など)を減らすことができる。正しい知識を投入すれば労働量、在庫、エネルギー消費、原材料、生産に必要な時間、空間、お金を減らすことができる

②富の集まる時間

時間を「短期」で使うか、「長期」の複利で使うかで富の差が大きく出る

何かに没頭ができるように時間を自ら主導する。他人に自分の時間を主導されてはならない。

時間の観念をグローバル24時間制と変える。

オーダーメイド型24時間になるよう運用する。

③富の集まる空間

「ハブとなる空間」のみが富を創出する

人の移動、教育、ビジネス、文化、金融、サービスなどが統合的に提供され、人々がたくさん集まる空間。仮想成果でもハブの役割をなす空間。

④富の集まる霊性

人間の感性や思考、社会的価値、倫理意識、人間性

「神の前に立つ個人」という意識が重要

4章 未来の富を手に入れる方法

革新的に働くシステムに変える

第2次IT革新、バイオ産業、ロボット産業、ナノ産業、新エネルギー産業、宇宙産業などの新しい高所得の創出が可能

 

金持ちになるためには奴隷のように働いてはダメなのだ

 

①産業の方向・労働の方向・業務の方向を革新的に変換

②革新的な技術を活用して革新的に仕事をする方法

③革新的に業務量を減らし、生産性を高める方法

 

・終身雇用は確実に終わりを告げた

・会社の寿命は15~20年になった

・現在の実用的知識の寿命は3年でしかない

・人口知能とロボットに代替され、仕事がなくなっていく

・1万5千年で前は、富と成功の条件は「土地の所有」だった

・18世紀、富と成功の条件は「ロボットをどれだけ活用できるか」だった

・20世紀、富と成功の条件は「どれだけ接続できるか」となった

5章 2030年の宝の地図

・未来の3つのパラダイムはの3つ

「後期情報化社会」

感性デザイン能力

ー人々がまだ見つけることができていない幸せの感覚を新しくデザインすることや、それを向上させ伝達する能力、これを持続可能とするように経営する能力

ストーリー(音、映像、音楽、テキストなどのストーリー)の力を活用し伝達することがより重要

 

「幻想社会」

夢と価値を実現する能力

ー人間感性の自動化に通じる価値基盤社会への転換となる。

企業の場合、どのような商品を売るかということより、商品を通じてどのようにすれば消費者たちの夢と価値を実現させることができるかを意識するべき

 

霊性社会」

精神的問題を治癒する能力

ー霊的存在価値をデザインする能力、心理科学など

 

・新しい産業は「代替エネルギー」ではなく「エネルギー節約」にある

・「石油」よりも「水」の動きに注目しよう

・2035年には平均寿命が100歳になる

・2030年1世帯1ロボット

・ロボットや人口知能が発達し労働力の95%が必要でなくなる

6章 未来で必要とされる人材

本当の価値は、知識とネットワークにより創出される

「知識の生産能力」と「ネットワークの生産能力」が必要とされる

生産能力がより重要)

 

知識の生産能力

・認識技術の能力を向上させる

ー既存の情報をより効果的に扱う「情報価値連鎖」を作りあげることが重要

ー人の感情を理解する能力を得るため、詩や小説を読む

ー人と社会を理解する能力を得るため、三国志のような歴史書を読む

・熟練された知識

ーある分野を職人レベルの域まで向上させた人だけが生存を保証される

学問的知識でも、趣味レベルの知識でも、熟練された知識のレベルを上げるように訓練すれば、これいを活用して新たな所得を生み出すことができる

 

 自分の分野を見つける7つの方法

①関心がある分野の専門家に会って、専門家になる近道に関する助言を聞く

②関心がある分野とその分野に関連している2~3つの団体に加入して、定期的に学会、セミナー、定期会などの集まりに参加する

③関心がある分野のベストセラー本を3~4冊読み、それぞれ1ページに要約する

④関心がある分野の内容を直接的に扱った放送記録をケーブルテレビやIPTV、インターネット放送で探して、それぞれを1ページに要約する

⑤あなたの周りにいる人を対象にしたり、ネットカフェなどで広告を出したり、公民館などでポスター広告を出したり、1~3時間ほどのセミナーを開く。

⑥関心がある分野の専門紙や、ネットの新聞社1、2社に対して、文章の寄稿を提案する。専門性や経歴を疑われた場合、有名な専門家をインタビューして記事を書くという。1回実行しただけで、あなたの履歴に寄稿家というタイトルが乗せられる

⑦上記の6つ方法により、短期間で専門分野に精通できたら、1万時間を投資して真の専門家に生まれ変わりなさい。専門家になるには1万時間の精進を要する

 

継続的な知識生産能力が必須条件となる

ー自分の100%の努力よりも100人の1%の努力

 

オンラインとオフラインの集団知性の活用を通じた知識経営能力

 

最高のネットワークの作り方

ー有益であれば「今日の敵が明日の友」となる時代である

「知的ネットワーク構築能力」

 -ネットワーク自体が新たな富と新たな価値に向けて知的に作動すること

多様な環境で多様な任務を遂行するのに適するよう、知能的な変化をする

自分自身の収益を制限し、参加者に収益をもたらすことで、多くの参加者を集めることになるシナジーと、それを活用して大きな効用を得る作成。

意識技術を通じてネットワークを売る。思考技術時代、創造力の時代。

 

「感性的コミュニケーション能力」

 -感性(温かみ)

人々が自身の中に存在するが認識できない幸福感を新しくデザインしたり向上させたり、伝達したりする能力と、これを持続的に経営する能力。ストーリーを活用したコミュニケーション技術。

現実世界だけではなく、仮想世界のリーダーシップも訓練する

融化、プロジェクトマネジメント能力、信頼性などが重要

 

人間性

ーすぐれた人間性。一緒に勝利しようとする態度と人間性

すぐれた人間性を持つ人たちと取引をし、ネットワークを作ること。

今後企業は、利口な人より人間性の優れた人を選ぶ。知識はネットでいくらでも得られるが、知識の加工と伝達を行う人間性がより重要

円滑な協同への積極的な態度、時間と業務ルールをきちんと守る信頼性

 

●情報通信技術の活用能力

 

ー革新的に業務を減らしつつ生産性を高める

 ・最小の仕事で最大の効果を得る方法を考える

 ・胸がときめく仕事だけをするのではなく、自分がする仕事が胸をときめかせるよう再構成する

 ・情報の量を革新的に減らす

 ・仮想ビジネス生態系を構築して、ほかの人が自分のために働いてくれたり、自分を友好的に助けてくれるシステムを作る

・本当に重要な仕事が何なのか区別する

・所得を増加させながら仕事量を減らす。

  意味のない仕事を減らし、本当に重要な仕事に集中する

  重要な仕事に締め切りの期限を決める

・情報はフィルタリングする

・サラリーマンでもアウトソーシングは最高の戦略

  

・失敗の公式は「すべての人を喜ばせよう」とすること

 ーすべての仕事をうまくこなさない

・避けることができないならば、楽しみなさい

 

自分望む時間に、望む場所で、好きなように、都合のよい条件で、好きな人たちのために働く自由を追求していく。自分を心ゆくまで表現し、自分の本来の姿のままで生きていくことのできる労働を望むようになるだろう。

7章 富の能力を準備せよ

●大切な判断は「直観」で決まっている

 

金持ちの脳は、特に前頭全皮質が一般の人と異なる

ー金持ちになるためには、自分の知識と経験をパターン化しながら、一種の洞察力を生み出すことが大変重要であるのだが、前頭全皮質の機能がまさにこれと直接関係している。

 

最初に直観的に浮かんだ考えが正解である確率は2番目に浮かんだ考えのそれよりはるかに高い

 

●「創造力」と「想像力」は自分で鍛えられるものである

ー訓練された洞察力を持つ3つの方法

1、情報をアップデートする

2、情報をフィルタリングする

3、シミュレーションを通じて学習する

 

ー創造力と想像力を訓練する9つの方法

1、脳に新しい刺激を与える

2、身体全体で感じる

3、専門分野の知識を早く習得する

4、起こることをシュミレーションする

5、注意深く観察する

6、幼い子のように経験と情報を結びつける

7、環境を作る

8、睡眠と運動の時間をとる

9、目的・目標を意識する

 

●アジアは「富の創出システムの恩恵」をうける

●アジアは人口分布において世界の中心舞台となる

●アジアは「相互作用のスピード」により富の空間に変貌する

●多くのメリットをもつ「仮想企業」が出現する

ー安い費用ですみやかに、国際的知識を活用しながら大きい収益を出す

ー誰かが自分を探してアクセスしてくる

ー少ない費用で全世界を対象に活動できる

ー3D仮想空間に未来世界のブルーオーシャンがある

●「富の未来図」を自分自身の目で見よう

 

最後に

~生きた魂を持つ金持ちになりなさい。

 

ピンチがチャンスになります。

何事にも恐れないで挑戦してみてください。

そして、喜びや感謝の気持ちですべてのことをスタートしてみてください。

ビジネスや投資の成功者たちは、幸運にも「富のある場所」にいあわせた人たちです。特別な能力があるわけではなく、最高のタイミングで「富のある場所」にいあわせた人たちなのです。ですから、「富のある場所」がどこなのかさえ知ることができれば、誰でもお金持ちになれるのです。

 

単なる未来予測だけではなく、未来を予測する能力を身に着け、未来の準備として今自分が何をすべきか具体的に書かれていました。